ChatGPT「Company Knowledge」で情報探しが変わる
こんにちは!シェルシステムです。
「先方から来てた要望、どこかにまとまってたはず…」
Slackで検索しても断片的な会話だけ。Google Driveを開いてもどれが最新かわからない。メールも埋もれている。結局、同僚に「あの資料ある?」と聞いて返信を待つ…ますか?
2025年10月、ChatGPTにこの課題を解決する新機能「Company Knowledge」が追加されました。
本記事では、Company Knowledgeの仕組み、会議準備での活用例、対応アプリ一覧、そして導入前の注意点を解説します。

Company Knowledgeとは
Slack、Google Drive、GitHubなど複数の業務アプリを横断検索し、引用付きで回答を生成するChatGPTの新機能です。
Company Knowledgeは、複数のソースを同時に検索して包括的な回答を生成するよう訓練されています。
技術的には、RAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成)と呼ばれる仕組みに近いものです。RAGとは、AIが回答を生成する前に外部のデータソースから関連情報を検索・取得し、その情報をもとに回答を作成する技術です。
↓ RAGについては、以下の記事でまとめています。
従来の社内ナレッジベースは「情報を一箇所に集約・整理する」アプローチでした。一方、Company Knowledgeは「分散したまま横断検索する」アプローチです。既存のSlackやGoogle Driveをそのまま使い続けながら、必要なときにAIが情報を統合してくれます。
何ができるのか
Company Knowledgeを使うと、以下のことができるようになります。
特に強力なのは「横断検索」と「引用リンク」です。
1. 複数ツールの横断検索(★最大の特徴)
Slack、Google Drive、メール、GitHub、HubSpotなど、接続したアプリを一度の質問で同時に検索します。ツールごとに検索し直す必要がなくなります。
2. すべての回答に引用リンク
回答には、情報の取得元が引用として明示されます。引用をクリックすれば原典を直接開けるため、AIの回答を鵜呑みにせず、必要に応じて確認できます。
3. 曖昧な質問にも対応
「顧客フィードバックをまとめて」のような曖昧な質問でも、関連しそうな情報を幅広く検索します。OpenAIによると、フィードバックフォーム、サポートチケット、Slackでの顧客コメントなども対象に含めて回答を生成します。
4. 情報の矛盾・未決定事項の検出
複数のソースを検索した結果、情報が矛盾している場合はそれを指摘します。会議前に「まだ決まっていない点」「チーム間で見解が分かれている点」を把握できます。
接続できるアプリ

※ 対応アプリは随時追加されています。最新状況はOpenAI Help Centerでご確認ください。
※ 自社システムとの接続は、MCP(自社システムとChatGPTを接続するための仕組み)で対応可能です。
↓ MCPについては、以下の記事でまとめています。
利用できるプラン
Company Knowledgeは、ChatGPT Business / Enterprise / Edu で利用できます。

運用の流れ
- メッセージ入力欄の下にある「Company Knowledge」をクリック
- 初回のみ、接続するアプリを認証
- 質問を入力すると、右サイドバーに検索過程がリアルタイム表示
- 回答内の引用リンクから原典を確認できる


引用元:OpenAI公式発表
https://openai.com/index/introducing-company-knowledge/
具体的な活用シーン:クライアント訪問前の情報収集
実際の活用シーンを見てみましょう。以下のようなシーンを想定します。
明日、3ヶ月ぶりにA社を訪問することになった。前回の商談内容、先方の課題、提案の進捗、社内での検討状況…これらを把握してから訪問したい。
従来の方法
従来の方法では、各ツールごとに情報を確認しに行く必要があり、検索や確認に工数がかかっていました。
- HubSpotで商談履歴を確認(5分)
- Google Driveで提案書を検索(10分)
- Gmailで先方とのやり取りを遡る(10分)
- Slackで社内の関連会話を検索(5分)
→ 合計30分以上。それでも「見落とし」の不安が残る。
Company Knowledgeを使った場合
質問例:
「A社との商談に向けて、これまでの経緯、先方の課題、過去の提案内容、未解決の懸念点をまとめて」
返ってくる情報のイメージ:
Company Knowledgeが各ツールを横断して、以下のような情報を引用付きで返答してくれます。
- 初回商談で「業務の属人化を解消したい」と伺った(出典:HubSpot 商談メモ 9/15)
- 10月に業務フロー可視化ツールの提案書を提出済み(出典:Google Drive「B社_提案書_v2.pdf」)
- 先方の山田部長から「予算は来期に確保予定」とメールあり(出典:Gmail 10/22)
- 社内で「A社はセキュリティ要件が厳しいので注意」と共有されていた(出典:Slack #営業 10/25)
- 類似案件のB社では導入に3ヶ月かかった(出典:Google Docs「C社_プロジェクト完了報告」)
→ 複数のツールから、1回の質問で情報が集約。所要時間は約3分。
すべての情報に引用リンクが付くため、詳細を確認したい箇所はワンクリックで原典を開けます。
運用上の注意点
① 機能の制約
- Web検索・画像生成と排他:Company Knowledge有効時は使用不可(今後統合予定)
- 手動切り替えが必要:新しい会話ごとに有効化が必要
- Web版のみ対応:デスクトップ/モバイルアプリは未対応(2025年12月時点)
② AIの回答精度
引用付きで回答が返ってきますが、AIが情報を誤って解釈する可能性はゼロではありません。重要な意思決定には必ず引用元を確認してください。
③ 権限設定の確認が必要
Company Knowledgeは既存のアプリ権限を継承します。権限設定が適切でないと、意図しない情報が検索対象になるリスクがあります。導入前にアクセス権限の見直しをお勧めします。
セキュリティについて
Company Knowledgeは、エンタープライズ向けのセキュリティ要件を満たしています。
- モデル学習への利用なし:Business / Enterprise / Eduプランのデータは、デフォルトでOpenAIのモデル学習に使用されません。無料版やPlusとは異なる扱いです。
- 既存権限を継承:ユーザーがアクセスできないファイルは検索対象になりません。Google Driveの閲覧権限がないファイル、SlackのプライベートチャネルなどはCompany Knowledgeでも見えません。
まとめ
Company Knowledgeを導入すると、情報を個別に検索する必要がなくなり、「あの情報どこだっけ?」が1回の質問で解決します。
すべての回答に引用リンクがつくため、「誰がいつ言ったのか」も即座に確認できます。さらに、情報の矛盾や未決定事項を検出してくれるので、会議前にチーム間の認識ズレを把握することも可能です。
情報が複数ツールに分散している組織ほど、導入効果は大きくなります。
弊社では、Company Knowledgeを含めツールの導入支援を行っています。
「うちの会社で使えるのか相談したい」「まずは話を聞いてみたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
