東京で会社設立する前に知りたかった、一番コスパのいい株式会社の作り方
「株式会社を作ろう」
そう思ってみたはいいものの、いざ調べてみると、定款(ていかん)認証、登記申請、資本金の払込など、そもそも知らない言葉がたくさんありました。
正直なところ、事務作業がめちゃくちゃ苦手な僕にとって、これはかなりの苦行でした。。
「一体、何から手をつければいいんだ?」と、途方に暮れてしまったのを覚えています。
この記事は、今から東京で会社を設立しようと思っている方向けに、僕が最もコスパの良いと思っている方法をまとめました。
専門家にお願いするのが一番楽なんだろうけど、立ち上げの時期だから、なるべくお金はかけたくない。でも、全部ひとりでやろうとすると、時間も手間もかかりすぎて、本当にやりたい事業の準備が全然進まない。
もし、かつての僕と同じように悩んでいるなら、この体験談が役に立つと思います。
【僕の体験談】試行錯誤の道のり
1.会社設立ってもっと簡単にできると思っていた
まず、僕がやったのは「会社設立 手順」で検索することでした。
すると、たくさんの情報が出てくるのですが、その多くが自社の設立代行サービスに誘導する内容だったりして、「結局、公式な手続きとして、まず何を、どこに提出すればいいのか」という肝心な点が、なかなかつかめませんでした。
全部外部にお願いすれば楽なのは分かっていましたが、調べてみるとそれなりにお金がかかる。
なんとか自分でできないか、と法務省のオンライン登記システムに挑戦してみたものの、これが本当に難しくて…。
専門用語だらけの画面を前に、数時間格闘した挙句、僕は自分だけでやることを諦めました。
2.シェアオフィスに入居するまでに意外と時間がかかった
何から手をつければいいか分からない中、「とにかく住所がないと始まらない」ということだけは分かりました。
自宅を本店にすることも可能ですが、引越しする場合の対応やプライバシー
を考えて、オフィスを借りようと考えていました。
最近は、月数千円で住所だけを借りられる民間のバーチャルオフィスもたくさんあります。ただ、個人的には、あまりに安いサービスだと、会社の信用という面で少し気になりました。起業すると、意外とオフラインで人と会う機会もあります。本当に場所だけを借りる契約だと、そういった際に少し不便を感じるかもしれない、と考えました。
僕の場合は、自宅から近いこともあり、品川区のシェアオフィスに入居しようと思いました。
良さそうなオフィスを見つけたのですが、人気で空きがなく、入居待ちに。
契約手続きにも審査があり、事業計画書みたいなものを提出する必要もあって、申し込みから入居まで意外と時間がかかってしまいました。
3.資料作成でもつまづく
住所の目処が立ち、次はいよいよ会社のルールブックである定款(ていかん)を作ろうと思いました。
しかし、これもまた大変でした。定款は、作っただけではダメで、「公証役場」という場所で認証を受ける必要があります。 認証の方法もいくつかあり、一番コストパフォーマンスがいいのは「電子認証」だと知りました。
紙の定款だと4万円かかる印紙代が、電子なら0円になるからです。
ただ、その電子認証も、自分でやるにはWindowsのPCに専用のソフトを入れたり、ICカードリーダーを用意したりと、なかなかの手間がかかることが判明しました。
また、それ以外にも会社の設立に必要な資料は以下のように様々あります。

https://www.ht-tax.or.jp/kigyou-guide/companyformation-documents
それぞれの資料に対して、どういうフォーマットで作ればいいのか、また作成した要素があっているのか、レビューなく設立の申し出を行って不備がある場合どうなるのか、など様々な悩みがありました。
そんな風に、またもや途方に暮れかけていた時に、「東京開業ワンストップセンター(TOSBEC)」というサービスの存在を知りました。
これは国と東京都が運営しているサービスで、なんと無料で専門家に相談できるとのこと。
藁にもすがる思いで予約を取り、行ってみると、これが大正解でした。 登記に必要な書類一式をくれただけでなく、僕が作った定款案の添削までしてくれたのです。
そして、このTOSBECの相談で、僕はさらに重要な情報を得ることになります。
「本店、品川区なんですね。それなら、区の創業支援制度を使えば、登録免許税が半額になりますよ」
株式会社の設立には、登録免許税という税金が最低でも15万円かかります。それが、7万5千円になる、と。全く知らなかったので、本当に驚きました。
4. 待ち時間を有効活用:創業支援と印鑑作成
ちょうどオフィスの入居を待っている期間だったので、僕はその時間を使って、品川区の創業支援を受けることにしました。 僕が選んだのは、専門家の個別相談を「1ヶ月以上にわたり、4回以上」受けるというもの。週1回のペースで相談に通い、事業計画のアドバイスをもらいながら、約1ヶ月後、無事に証明書を発行してもらいました。
並行して、法人印鑑も作りました。登記の申請には、法人の実印(代表者印)が絶対に必要になります。今はオンラインの印鑑通販サイトで、3,000円くらいの安いものも手軽に作れます。僕の場合は、長く使うものだからと少し奮発して1万円くらいのチタン製のものにしましたが、これは好みで選んで大丈夫だと思います。
5. TOSBECに手伝ってもらって、無事に会社設立
創業支援の証明書(任意)も、法人印鑑も手元に届きました。 いよいよ、TOSBECで本番の手続きです。僕は「定款認証」と「登記申請」を同じ日に行うプランで予約しました。
当日の持ち物は、事前にTOSBECの担当者の方に何度も確認して、リストにして準備しました。
【僕が当日持っていったものリスト】
- 創業支援の証明書(利用する人のみ)
- 個人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
- マイナンバーカード
- 作成した定款(印刷したものと、USBメモリに入れたデータ)
- 登記申請の書類(これもUSBメモリに)
- 法人印鑑と、個人の実印
- 資本金を振り込んだのが分かる通帳のコピー
- 登録免許税 7万5千円(支援で半額になった額)
- 定款認証の手数料 約5万円(これは現金で用意)
- 空のUSBメモリ(認証された定款データをもらうため)
予約した日の朝10時、TOSBEC赤坂へ。 受付を済ませると、公証人、法務局、都税事務所など、各ブースの専門家が次々と対応してくれます。
僕が一番助かったのは、やはり電子定款の作成です。 自分でやるとあれだけ面倒だった電子署名が、TOSBECに備え付けの専用PCとカードリーダーを使って、担当の方の案内に従うだけで、あっという間に完了しました。これだけで、4万円の印紙代が0円になったのです。
定款認証の待ち時間に登記書類のチェックをしてもらうなど、非常に効率よく進めてもらい、朝10時に始めて、約3時間で、あれだけ複雑だと思っていた手続きが、すべて終わってしまいました。
【結論】僕がたどり着いた、一番スムーズな会社設立の進め方
ここまでの僕の遠回りな経験を踏まえて、「もし、もう一度会社を作るとしたら?」と聞かれたら、迷わずこの順番で進める、という手順をまとめました。
ステップ1:本店所在地を決め、印鑑を作成する
- まずは会社の住所を決めます。これが決まらないと何も始まりません。
- 自宅、レンタルオフィス、バーチャルオフィスなど、選択肢ごとのメリット・デメリットを考えましょう。
- オフィスを借りる場合は、審査や契約に時間がかかることを見越して、早めに動き出すのが吉です。
- また、印鑑の作成は自分で行わないといけない&各種書類の作成に必要になるので、こちらも先に行った方がいいかなと思います、
ステップ2:TOSBECに事前相談の予約を入れる
- 住所が決まったら、すぐにTOSBECの事前相談を予約しましょう。
- ここで、設立手続きの全体像と、必要な書類一式を教えてもらえます。
ステップ3:【任意】自治体の創業支援を受ける
- もし設立を急いでいなくて、登録免許税15万円を半額にしたいなら、支援制度を活用した方がいいです。
ステップ4:TOSBECで設立手続きを一日で完了させる
- 創業支援の証明書(使う場合)、法人印鑑、個人の印鑑証明書、資本金、定款の下書きなど、必要なものがすべて揃ったら、いよいよ本番です。
- TOSBECの「定款認証・登記申請」を予約し、指定された持ち物を持って行きます。
- 当日は、専門家の案内に従うだけ。あれだけ面倒だと思っていた電子定款の認証も、備え付けのPCで完了します
ステップ5:設立後の手続きも相談
- 登記が完了したら、税務署への法人設立届や、年金事務所での社会保険の手続きなどが必要です。
- これらの設立後の面倒な手続きも、TOSBECに行けば、関係各所の窓口がそろっているので、まとめて相談・提出することができます。
実際にかかった費用と、振り返って思うこと
最終的に、僕が設立手続きで支払った費用は、合計で約13万5千円でした。
でも、今振り返って思うのは、本当のコスト削減は、お金以上に「時間」と「集中力」だったということです。
会社設立は、ゴールではなくスタート地点です。僕のように事務作業が苦手な人間が、煩雑な手続きにリソースを使いすぎてしまうと、肝心の事業準備に力を注げなくなってしまいます。それこそが、起業家にとって最大の損失ではないでしょうか。
この記事が、あなたの会社設立をスムーズに進める一助となり、あなたが一日でも早く、本来の事業活動に集中できることを願っています。
ちなみに、僕の本業はウェブサイト制作やプロダクト開発です。もしあなたの事業で、そういった領域で何かお手伝いできることがあれば、お気軽にご相談ください。同じ起業仲間として、何か力になれたら嬉しいです。
